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大学生などの皆さんは、20歳になると国民年金への加入義務が発生します。「学生で収入がないのに、毎月の保険料を払うのは大変……」と感じる方も多いはず。

そんな時に活用したいのが、親の所得に関わらず、本人の所得次第で保険料の支払いが猶予される「学生納付特例制度」です。


1. 学生納付特例を受けられる対象者は?

この制度は、大学(大学院)、短大、高校、高専、専修学校、および一部の各種学校に在学する学生(※)が対象です。

  • 本人の所得基準(前年所得)

    以下の計算式で求められる金額以下であれば、申請が認められます。

    128万円 +(扶養親族等の数 × 38万円)+ 社会保険料控除等

    ※ご本人のアルバイト代が中心であれば、多くの場合この基準内に収まります。

    (※1)学生とは、大学(大学院)、短期大学、高等学校、高等専門学校、特別支援学校、専修学校および各種学校(※2)、一部の海外大学の日本分校(※3)に在学する方で夜間・定時制課程や通信課程の方も含まれますので、ほとんどの学生の方が対象です。

    (※2)各種学校

    修業年限が1年以上の課程に在学している方に限ります(私立の各種学校については都道府県知事の認可を受けた学校に限ります。)

    (※3)海外大学の日本分校

    日本国内にある海外大学の日本分校等であって、文部科学大臣が個別に指定した課程


2.特例を受けるメリットと「未納」との大きな違い

「どうせ払えないから放置でいいや」と未納のままにしておくのは非常に危険です。特例の承認を受けることで、以下の権利が守られます。

項目

特例承認(猶予)

未納(放置)

受給資格期間

10年間の期間にカウントされる

カウントされない

将来の年金額

反映されない(※追納で解決)

反映されない

障害・遺族年金

万が一の際、受け取れる

受け取れない

⚠️在学中に病気やケガで障害が残った場合、未納だと「障害基礎年金」が支給されません。特例を申請しておくことは、「もしもの時の保険」を確保することでもあるのです。

3. 将来の年金を増やすには「追納」がおすすめ

特例期間は、そのままでは将来受け取る「老齢基礎年金」の額には反映されません。満額に近づけるためには、後から保険料を納める「追納」を検討しましょう。

  • 10年以内なら追納可能

    承認を受けた月から10年以内であれば、後から納付できます。

  • 早めの納付がお得

    承認から3年度目以降に追納する場合、当時の保険料に経過期間に応じた「加算額」が上乗せされます。

  • 節税メリットも!

    追納した保険料は、全額が「社会保険料控除」の対象になります。就職後、ボーナスなどの臨時収入があった際に追納すれば、所得税や住民税を軽減することができます。


4.手続きについて

学生納付特例は、原則として卒業するまで毎年申請が必要です。

ただし、申請を忘れていた場合でも、保険料の納期限から2年以内であれば、遡って申請することが可能です。「手続きを忘れていた!」という方も、諦めずに年金事務所や市区町村の窓口へ相談しましょう。


「学生納付特例」は、学生の皆さんの将来を守るための大切な制度です。単なる「先送り」ではなく、未納リスクを回避する手段として、必ず手続きを行っておきましょう。

 
 
 

2024年4月より、労働契約の締結・更新時における「労働条件の明示事項」が追加されています。従来の書式をそのまま使っていると、法改正に対応できていない可能性があります。

特に重要な4つのポイントを確認しておきましょう。


1.就業場所・業務の「変更の範囲」の明示

【対象:全ての労働契約(正社員・契約・パート等)】

これまでは「雇い入れ直後」の場所と仕事内容だけで済みましたが、今後は将来的な配置転換(転勤や異動)で変わり得る範囲についても記載が必要です。

  • 記載例:

    • 就業場所:(直後)東京本社、(変更の範囲)会社の定める営業所

    • 業務内容:(直後)営業事務、(変更の範囲)事務全般および付随する業務

    ※テレワークが想定される場合は、その場所も範囲に含めるのが望ましいです。


2.更新上限の有無と内容の明示

【対象:有期労働契約(契約社員・パート等)】

契約更新の回数や通算期間に上限がある場合、その内容を明示する必要があります。

  • ルールの追加・短縮時の注意: 契約の途中で「更新は5年まで」と新たに上限を設けたり、期間を短縮したりする場合は、事前にその理由を労働者に説明しなければなりません。


3.無期転換「申込機会」の明示

【対象:無期転換申込権が発生する更新時の労働者】

同じ会社で通算5年を超えて契約更新された労働者に対し、「正社員(無期雇用)への転換を申し込めますよ」という権利があることを、書面で通知する義務が生じました。

※初めて権利が発生する時だけでなく、その後更新するたびに通知が必要です。


4.無期転換後の「労働条件」の明示と説明

【対象:無期転換申込権が発生する更新時の労働者】

無期転換した後の給与や休日などの条件をあらかじめ明示する必要があります。

  • バランス(均衡)の考慮: 無期転換後の条件を決める際は、正社員との仕事内容や責任の重さのバランスを考慮した事項について、労働者に説明するよう努める(努力義務)こととされています。


⚠️ 記載漏れに注意!「就業規則」の周知方法

厚生労働省のモデル労働条件通知書にも記載がありますが、以下の項目は全ての労働者に関わる重要な点です。

  • 「以上のほかは当社就業規則による」という文言

  • 「就業規則を確認できる場所や方法」(例:共有サーバー内、休憩室の棚など)

これらが形骸化していないか、この機会に社内の運用を見直してみましょう。


今回の改正は、将来のキャリアパス(変更の範囲)や、長く働く権利(無期転換)を労働者に明確に伝えることが主眼に置かれています。トラブルを未然に防ぐためにも、最新のフォーマットへの切り替えを強くお勧めします。


 
 
 

業務災害や会社の都合で従業員が休業した際、給与をどこまで支払うべきか。 実は、就業規則に「ある一文」がないだけで、会社は「給与の全額(100%)」を支払う義務を負うリスクがあります。

今回は、近年の裁判例を踏まえた民法536条2項の対策について解説します。


1.なぜ「全額支払い」のリスクがあるのか?(民法536条2項)

民法では、「会社の責任(帰責事由)で従業員が働けなくなった場合、従業員は賃金をもらう権利を失わない」と定められています(民法536条2項)。

特に注意が必要なのが、「安全配慮義務違反」が認められる業務災害です。 裁判所では、「会社側に落ち度がある怪我や病気で休ませるなら、それは会社の責任。だから給与は100%払いなさい」という厳しい判断が相次いでいます。


2.「休業手当(60%)」と「賃金(100%)」の大きな違い

多くの経営者様は「休ませても6割払えばいいのでは?」と考えがちですが、ここには法的な落とし穴があります。

  • 労働基準法(26条): 会社の責任で休ませる場合、平均賃金の60%以上を支払う義務(罰則ありの最低基準)。

  • 民法(536条2項): 会社の責任で休ませる場合、原則として賃金の100%を支払う義務(特約がない場合の原則)。

労働基準法はあくまで最低ラインを定めたものであり、民法の「100%原則」を自動的に上書きしてくれるわけではありません。


3.就業規則で「民法の適用を排除」して対策

民法 第536条2項は「任意規定」です。つまり、労使の合意(就業規則の定め)によって、その適用を制限したり排除したりすることが可能です。

もし就業規則に何も書いていなければ、裁判では自動的に「民法の規定通り100%支給」と判断されてしまいます。これを防ぐために、あらかじめ規定を整備しておく必要があります。


📌休業中の賃金の定めの例(民法536条2項の適用排除)

従業員が債務の本旨に従った労務提供ができるにもかかわらず、会社の責めに帰すべき事由により従業員を休業させた場合、又は業務上の災害により従業員が休業となった場合には、民法第536条第2項の適用を排除し、賃金を支給しない ただし、前者の場合は労働基準法第26条に定める休業手当(平均賃金の100分の60)を支払うものとする。


「労基法を守っているから大丈夫」という考えだけでは、民事上の損害賠償リスク(賃金差額の請求)をカバーしきれません。 特に、業務災害における会社側の注意義務違反が問われやすい昨今、この規定の有無が会社を守る大きな砦となります。

貴社の就業規則が、民法の原則を放置したままになっていないか、今一度チェックすることをお勧めします。

 
 
 

りゅう社労士オフィス

愛知県一宮市萩原町富田方字八剱60番地

​社会保険労務士登録番号:23120054

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