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「家族手当」的な役割を持つ年金の上乗せ制度、「配偶者加給年金」

実は2028年(令和10年)4月より、支給額の引き下げと計算ルールの簡素化が予定されています。

今回は、現行制度のおさらいとともに、将来の受給額がどのように変わるのか、最新の改定率(令和8年度想定)に基づき解説します。

1. 配偶者加給年金の基本要件(現行)

まず、加給年金を受け取るための主な要件を確認しましょう。

  • 本人の加入期間: 厚生年金の被保険者期間が20年以上(※1)あること。

    ※1:中高齢者の特例(40歳以降15年〜19年など)に該当する場合を含みます。

  • 加算のタイミング: 65歳到達時、または受給中の退職時改定・在職定時改定で加入期間が初めて20年に達した時。

  • 配偶者の条件: 65歳到達時点で生計を維持されている65歳未満の配偶者がいること。


⚠️ 令和4年4月からの重要ルール(支給停止)

配偶者自身が「20年以上の厚生年金期間」に基づいた老齢厚生年金等の受給権を持っている場合、実際に年金を受け取っていなくても(在職停止中などでも)、加給年金は全額支給停止となります。


2.【2028年4月改正】加給年金額と特別加算の引き下げ

2028年4月より、加給年金の「本体価格」と、生年月日に応じて加算されていた「特別加算」の両方が引き下げられ、金額が一本化されます。

① 配偶者加給年金(本体)

  • 現在: 243,800円

  • 改正後(2028年4月〜): 219,400円(約2.4万円の減額)

    ※令和8年度想定改定率1.085で算出

② 特別加算額

現在は受給権者の生年月日に応じて段階的に設定されていますが、改正後は一律となります。

  • 現在: 最大179,900円(昭和18年4月2日以後生まれの場合)

  • 改正後(2028年4月〜): 161,900円(約1.8万円の減額)

    ※令和8年度想定改定率1.085で算出


3.改正の適用対象となる方は?

今回の減額・新ルールが適用されるのは、以下の生年月日の方からです。

対象者:昭和38年(1963年)4月2日以後生まれの方(令和10年4月1日以降に65歳に到達する方)

既に受給している方や、2028年3月までに受給権が発生する方については、従前の金額・ルールが適用されます。


4.改正後は、合計で年間約4.2万円のマイナスに

改正後の加給年金(本体+特別加算)の合計額を比較すると、以下のようになります。

項目

現行(最大)

改正後(2028年4月〜)

差額

合計支給額(年額)

423,700円

381,300円

▲42,400円

※数値は令和8年度改定率(1.085)を適用した試算値です。

今回の改正は、実質的な給付抑制となります。特に昭和38年4月以降生まれのご夫婦にとっては、老後設計における「加給年金」の見積もりを少し下方修正しておく必要があるでしょう。


「自分のケースでは加給年金がもらえるのか?」「共働きの場合の注意点は?」など、個別の年金診断やライフプラン相談も承っております。お気軽に当事務所までご相談ください。

 
 
 


人生100年時代、ライフスタイルの多様化により「年金受給世代になってもお子様を養育している」ケースが増えています。これを受け、2028年(令和10年)⒋月より、老齢年金における「子の加算」ルールが抜本的に見直されます。

今回は、実務上非常に重要な「基礎年金への加算新設」「厚生年金の加算要件緩和」について解説します。


1.【新設】老齢基礎年金への「子の加算」

これまで、老齢基礎年金(国民年金)には「子の加算」という仕組みはありませんでした。これが2028年4月より新たに創設されます。

  • 加算額(年額): 287,100円(※令和8年度改定率1.085を想定し試算)

  • 計算式: 上記定額 ×(保険料納付済期間+免除期間 ※上限300月)÷ 300月

  • 特徴: お子様の人数に限らず定額となります。

⚠️ ここに注意!:既受給者は対象外 この「基礎年金の子の加算」は、2028年4月1日以降に受給権が発生する方が対象です。既に年金を受け取っている方には適用されませんのでご注意ください。

2.【拡充】老齢厚生年金の「子の加給年金」

厚生年金に加入していた方に上乗せされる「加給年金」も、より受け取りやすく、金額もシンプルになります。

① 加入期間要件が「240月」から「120月」へ

これまで加給年金をもらうには「20年(240月)」の加入が必要でしたが、改正後は「10年(120月)」に大幅緩和されます。

  • 対象: 2028年4月1日以降に受給権を得る方

  • タイミング:

    1. 65歳(受給権取得時)に120月以上の加入がある

    2. 受給中に退職時改定や在職定時改定を経て、初めて120月に達した時

② 加算額の定額化

現在の「1・2人目」と「3人目以降」の金額差がなくなり、一律の定額となります。

  • 改正前(現在):1・2人目 243,800円/3人目 81,300円(※令和8年度想定)

  • 改正後(2028年4月〜): 287,100円(人数によらず定額/※令和8年度想定)


3.改正内容の比較

項目

現行ルール

2028年4月からの新ルール

老齢基礎年金への加算

なし

あり(最大287,100円)

老齢厚生年金の要件

厚生年金加入 240月以上

厚生年金加入 120月以上

厚生年金の子の加算額

人数により変動(第3子以降減額)

人数によらず一律定額

※老齢基礎年金と老齢厚生年金の子の加算加給が重複するとき➡老齢基礎年金の子の加算が支給停止されます


今回の改正は、就職が遅かった方や、自営業期間が長く厚生年金加入期間が短い方にとって、大きな恩恵となります。

ただし、「改正日(2028年4月1日)より前に受給権がある人」は、残念ながら旧来のルール(240月要件など)が適用されます。 ご自身がどちらのルールに該当するのか、あるいは「受給を遅らせる(繰下げ)」ことで有利になるのかなど、事前の確認が非常に重要です。


「改正後の年金額がどうなるか、より詳細な個別相談をご希望の方は、ぜひ当事務所までお問い合わせください。」

 
 
 

人生100年時代、定年後も現役で活躍する方が増えています。その中で、多くのシニア世代を悩ませてきたのが、働きながら年金を受け取ると年金がカットされる「在職老齢年金(在職停止)」の仕組みです。

しかし、2026年(令和8年)4月より、このルールが劇的に緩和されます。今回は、最新の改正情報を踏まえ、これからの「働き方と年金」について解説します。


1.在職老齢年金の基本ルール

在職老齢年金とは、60歳以上の方が厚生年金に加入しながら働く際、給与と年金の合計額が一定基準を超えると、年金の一部または全額が支給停止される仕組みです。

  • 対象となる年金: 老齢厚生年金のみ ※老齢基礎年金(国民年金)や経過的加算額は、いくら稼いでもカットされません。

  • 計算の基準:

    1. 基本月額: 加給年金額を除いた老齢厚生年金の月額

    2. 総報酬月額相当額:(毎月の標準報酬月額)+(直近1年間の標準賞与額の合計 ÷ 12)

現在の支給停止計算式(令和7年度時点)

支給停止額(月額)=(基本月額 + 総報酬月額相当額 -51万円)÷2              ※合計額が51万円以下の場合は、全額支給されます。

2.【激変】2026年4月から「支給停止基準額」が65万円へ

今回の改正の目玉は、年金カットが始まるボーダーライン(支給停止基準額)の大幅な引き上げです。

期間

支給停止基準額

現在 ~ 2026年3月まで

51万円

2026年4月から

65万円

これまでは「給与+年金」が51万円を超えるとカット対象でしたが、改正後は65万円までなら年金が1円も削られずに全額受給できるようになります。 これにより、高収入の専門職や経営層、役員クラスの方々も、年金を全額受け取りながら意欲的に働き続けることが可能になります。


3.厚生年金「標準報酬月額の上限」も段階的に引き上げ

一方で、高所得者層には負担増の側面もあります。保険料を計算する際の「標準報酬月額」の上限が、以下の通り段階的に引き上げられることが決定しています。

  • 現状の上限: 65万円(第32級)

  • 2027年9月~: 68万円

  • 2028年9月~: 71万円

  • 2029年9月~: 75万円

【ここがポイント!】

  • 負担増: 高所得者の保険料負担が増え、手取り額はわずかに減少します。

  • メリット: 高い保険料を納める分、将来受け取る年金(老齢厚生年金)の額が増えます。

  • 在職停止への影響: 報酬の上限が上がることで「総報酬月額相当額」は高く計算されますが、前述の基準額(65万円)の緩和があるため、支給停止のリスク自体は従来より低く抑えられます。


4.「在職定時改定」で増える年金と支給停止の関係

現在、働きながら厚生年金保険料を納めている方は、毎年10月に年金額が再計算される**「在職定時改定」**が行われます。

  • メリット: 退職を待たずに、現役時代の頑張りが毎年「基本月額」のアップとして反映されます。

  • 注意点: 年金額(基本月額)が増えるということは、給与が変わらなくても「給与+年金」の合計額が基準額(65万円)に近づくことを意味します。基準額ギリギリで設定している方は、年金額の増額によって、翌年からわずかに支給停止が発生する可能性がある点に留意が必要です。


5.これからは「稼いでも年金が守られる」時代へ

今回の改正により、「年収約780万円(月換算65万円)+α(老齢基礎年金)」までは、厚生年金を1円も減らさずに働き続けることが可能となります。

「働くと年金が減るから損」というこれまでの常識は、2026年4月を境に大きく変わります。高所得者にとっては保険料負担増という側面もありますが、その分将来の受給額が手厚くなり、在職中のカットも緩やかになるため、就労意欲を削がないポジティブな改正と言えるでしょう。


「自分の場合はいくらまでならカットされない?」など、具体的なシミュレーションをご希望の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 
 
 

りゅう社労士オフィス

愛知県一宮市萩原町富田方字八剱60番地

​社会保険労務士登録番号:23120054

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