年金が増える「加給年金」と「振替加算」の仕組み
- sr-skimata
- 2024年8月22日
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更新日:3月20日
厚生年金に長く加入してきた方にとって、65歳からの年金にプラスアルファされる「家族手当」のような制度が加給年金です。そして、そのバトンを受け取るのが配偶者の振替加算。
今回は、この2つの制度の要件と、意外な落とし穴について解説します。
1. 配偶者加給年金をもらうための準備
厚生年金の加入期間が20年以上ある方が65歳になった際、生計を維持している65歳未満の配偶者がいる場合に加算されます。
請求時には以下の書類が必要ですが、マイナンバーの登録状況によって省略できるものがあります。
必要書類 | 確認内容 | マイナンバー登録済みの場合 |
戸籍謄本 | 夫婦関係の証明 | 省略不可 |
世帯全員の住民票 | 生計を同じくしている証明 | 省略可能 |
配偶者の所得証明書 | 年収850万円(所得655.5万円)未満か | 省略可能 |
2. 加給年金から「振替加算」へのバトンタッチ
配偶者が65歳になると加給年金は止まりますが、今度は配偶者自身の老齢基礎年金に「振替加算」が上乗せされます。ただし、配偶者自身の厚生年金加入歴によってルールが異なります。
配偶者の厚年期間 | お相手の加給年金 | 自身の振替加算 | 備考 |
20年以上 | 自身の年金受給まで※ | 不支給 | 自身で十分な年金があるため不支給 |
20年未満 | 65歳まで支給 | 支給 | 昭和41年4月1日生まれの方まで支給 |
※令和4年4月からの注意点:お相手(受給権者)の老齢年金が、在職老齢年金の仕組みで「全額支給停止」となっている場合は、加給年金も支給停止となります。
3. ここに注意!振替加算が「消える」ケース
一度支給が始まった振替加算は、その後離婚や死別をしても一生涯支給され続けるのが原則です。しかし、以下の場合は支給が止まってしまいます。
1)離婚時の年金分割 分割によって、配偶者自身の厚生年金期間(みなし期間含む)が20年以上になった場合、振替加算は消滅します。
2)65歳以降の「在職定時改定」 65歳を過ぎて働き続け、厚生年金の加入期間が合計20年(240月)に達した場合、その直後の再計算(毎年10月分)から振替加算は止まります。
4.受給タイミング検討時の注意点
以上のルールを踏まえ、受給のタイミングを検討する際は以下のポイントが鍵となります。
繰下げ受給の注意点 加給年金がつく方は、老齢厚生年金を繰り下げると、その待機期間中は加給年金が受け取れません。繰下げをするなら「老齢基礎年金のみ」にするのが、加給年金をフル活用する定石です。
離婚のタイミング 振替加算の受給権を確定させたい場合は、支給が始まってから(配偶者が65歳になってから)手続きをするという選択肢もあります。
年金額の多寡だけでなく、税金や健康保険料の負担、そして何よりご本人のライフプランによって望ましい結果は異なります。トータルバランスを考えることが必要です。

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